「CAPSULE HOUSE-K」は建築家黒川紀章の設計による個人の為の戸建て別荘です。メタボリズム、ホモ・モーベンスの思想をコンセプトに設計されています。この建物は軽井沢からも程近い山間部に建てられ、同じメタボリズム建築である中銀カプセルタワービル竣工翌年の1973年に完成しました。
山間の地形への影響をなるべく抑えるため斜面に1本のコアを建てその周囲にカプセルを取り付け、自然との共生を実現した建物となっています。
カプセルは其々が独立した部屋となっており、内2つは中銀と同じ仕様のユニットバスを備えています。それ以外は台所仕様と茶室仕様となります。コア部分は1Fが暖炉のあるリビングスペース、B1Fが大きな円形窓を持つ主寝室(1997年改装時より、竣工当時はアトリエ)となっています。それぞれのカプセルはコアに直接取り付けられ、将来交換可能な仕様となっています。
建物は竣工後1973年〜2015年まで株式会社黒川紀章建築都市設計事務所の所有でありましたが、2016年に所有が他者に代りました。2019年より所有権を移し各関係者の協力を得ながら動体保存の為の修繕を進めています。
これ迄ごく一部の方にしか公開されず、知られることの少ない建物でしたが、この修繕後は、企業研修を含め研究者、学生、建物に興味のある一般の方に向けた研修及び宿泊施設としての利用が可能となります。
数少ないメタボリズム建築の一つであるこの建物を将来のカプセル交換を含め長く後世に残せるよう、御支援を頂いている方々、各関係者様のご協力を得ながら進めて参ります。
株式会社MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO 代表取締役 黒川未来夫
「CAPSULE HOUSE-K」
- 設計
- 1971〜1972年
黒川紀章建築都市設計事務所
- 施工
- 1972〜1973年
大成建設
- 竣工
- 1973年
- 改修工事
- 1997年 大成建設
2020年 新津組
- 所在地
- 長野県北佐久郡御代田町
- 建築面積
- 75.82㎡
- 延床面積
- 103.32㎡
- 高さ
- 9.5m
- 構造
- 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
- 居室
- 主寝室×1
リビングルーム×1
台所カプセル×1
茶室カプセル×1
通常カプセル×2 (それぞれにユニットバス付)
- 最寄駅
- しなの鉄道 御代田駅より車で約15分
北陸新幹線 軽井沢駅より車で約30分
- 最寄IC
- 上信越自動車道
佐久平スマートICより約20分
佐久ICより約40分
碓氷軽井沢ICより約50分